『春・夏・秋・冬~巡る季節』
私の拒絶を、夏は笑って受け入れてくれた。

それから、夏とは連絡を取っていなかった。

春からのメールで、夏も会社を辞めたということは知っていた。

ううん……彼はもともと国家の諜報員で、あの会社に就職していたわけではないから、辞めたという表現が正しいのかは分からないけれど。

今も諜報員として活動しているらしい。


……冬を自殺に追い込んで。

夏も……辛かったんだろうな……。



顔を曇らせながら開いた携帯のディスプレイには、意外なことが書かれていた。



『冬の誕生パーティをやろう

全員、冬のトコに集合!』



冬の……誕生パーティ?


私は携帯を握り締めたまま、小首を傾げた……。



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