Summer Love

諦めと後悔




すっかり真夜中になった、夜の海辺。



目まぐるしく回る仕事を終えて、外に出てきたのはいいものの。



「純奈には……本当に申し訳ないことを吐いてしまった………」



あんな過去を抱えているとは知らずに、知ったような口を聞いてしまった自分が恥ずかしい。



確かに、生徒の個人情報を目に通してはいたが、こんなに深刻だなんて考えた事はなかった。



仕事で忙しかったのもあるが。



ーーネックレスを掛けていた理由は、一体なんだろう。



少し冷える夜風が、俺の頬を掠める。



ーーーもしかしたら、俺がネックレスを渡した事件と零が告白した時期が同じだったかもしれない。



どういうことかといえば、二人同時に俺は「生徒の事を思う愛情」と零は「恋人としての愛情」を純奈は受けることになった。




そこで、純奈自身に暗い過去がフラッシュバックして「私自身が誰かを愛したら、両親と同じように2人はなってしまうのではないか?」と恐怖に包まれたんじゃないだろうか?


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