Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜

「この人は爽平さんを…」

「怜央」
「爽平さん！」
「仕方ない、面接はしないとな、落とすから大丈夫だ」

「何で面接に…」
「わからない…仕事がないんだろう、会場の準備をしてくれ」
「はい」

真綾は爽平の車の鍵を借りて荷物を積みに行った。

「桔平、今週いっぱいでいい、休みをくれ」
「急すぎるだろ、お前の信用が…」
「体調不良でいい、今週だけだから」
「爽平にぃ、調子悪いの？」
真綾が戻ってきた。

「いや、僕じゃない」
「乙葉か」
「今日は時間がない、またちゃんと話すから」

爽平は大きく深呼吸をした。
「大丈夫か、爽平」
「行ってくる」

店のドアを開けて面接者を番号順に入れて椅子に座ってもらった。

今回募集したのは20名で実際に採用は5人くらいの予定だ。
爽平が奥から出てくる。

「みなさん、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます、NUAGE(ﾆｭｱｰｼﾞｭ)のCEOの狩谷爽平です、名前、美容歴、どんな仕事がやりたいかをお答えください」

番号順に進んでいく中、井上雅彦はこう話した。

「井上雅彦です、35歳、フリーです、希望はアシスタントです」

皆が井上を見た。
「フリーなのに？」
「はい、まずは社長に昔の事を謝りに来ました、申し訳ありませんでした」

深々とお辞儀をした。

「なぜアシスタントを希望なんですか？」
「フリーは収入が安定してません、実は今年子供が産まれるんです、アシスタントでも収入が固定されているので希望しました」

NUAGE(ﾆｭｱｰｼﾞｭ)のアシスタントは基本いなかったのだが忙しくなったので最近募集をかけていたのだ。

技術も見て2時間ほどで面接は終了した。