Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜
怜央は仕事の電話を終えると2つ折りにしている布団にもたれた…

「疲れた」と目を瞑る。

何であの人は今更…くそっ、顔も見たくなかったのに…

30分ほど買い物に時間をかけて真綾は戻ってきた。
荷物を置くと横になって目の上に腕を置いてる怜央にゆっくり近づいていく。
「ただいま」と小声で言うと隣に座った真綾の太ももに顔をうずめ、腰に手を回した。

怜央の体が少し震えていたので真綾は怜央の頭を撫でる……泣いてる?

「昔…爽平さんがアシスタントで働いていた時の店長が面接に来た」
「うん」
「子供が産まれるからアシスタントで固定給がいいからって理由で」
「うん」
「自分が使った金をアシスタントの爽平さんのせいにしてクビにした奴なのにどうして今さら会いにこれる?爽平さんがどれだけ傷付いたか…くっ…そ…」

震えている背中を真綾はさすった。

「多分怜央さんと同じ時期…爽平にぃは美容師を辞めようと思っていたの、それを聞いたある人が自分1人の為でもいい、続けて欲しいと言ったの、その人と怜央さんやNUAGE(ニュアージュ)の人達に爽平にぃは支えられているよ、今でもその人は爽平にぃのそばに居る…」

「そうか…そういう人がいたから爽平さんは頑張れたんだな、俺なら絶対やめてるかも…ティッシュ取って」

怜央は顔を伏せたままごめんと言ってティッシュで顔を押さえた。

「かっこ悪いとこ見せたな」

「全然、爽平にぃの辛い時に怜央さんがいたように私も怜央さんの側にいたい、だって家族になるんでしょ?」

「真綾…」
怜央は真綾を布団に押し倒した。

「ありがとう」
そういうと長い優しいキスをくれた。
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