Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜
「いつもこの上でマネキンの髪の毛をカットしてるけど、今日はでかいマネキンだなぁ」

「170cmのマネキンです(笑)」

長い髪の毛を20cmくらいカットし、顔の輪郭にそってサイドにシャギーを入れた。

昨日泣いたからメイクもしてくれた。
「また遊びに行きたいよ…」
泣きそうになる…

「全オフはしばらくはないんだ、俺もいい気分転換になったよ、ありがとうな」
「…迷惑かけてごめんなさい」

我慢していた涙がまばたきでこぼれ落ちてしまった。

「いいよ、俺が声かけたんだから」

真綾は指先で目頭を押さえた。

「帰ります…」
「あぁ、気をつけて」というと昨日貸してもらった白のショート丈のGジャンを肩にかけてくれた。

「やる、昨日似合ってたから、今日のジーンズにも合うし」

「いいの?」
「うん」

真綾は怜央に見送られて玄関を出た。

「あーあ、2日連続で振られちゃった」

晴れた空を見上げて鼻水をすすった。

帰りに昨日行った牛丼屋さんへ1人で行って食べたけど、昨日の方が美味しかったなとまた悲しくなった。


「ただいま」
「おかえり」

リビングには爽平がいた。

「どうしたんだ、その格好」
「どう?」
「悪くない」
「本当?」

「これ、怜央のGジャン?髪型も怜央だ」

爽平は真綾の髪を触った。

「わかるの?」
「夏にこの白のGジャンはよく着てる」
「全部もらった、Tシャツもジーンズも」
「何で?彼氏のとこに泊まるって…」

「浮気してたの、外で喧嘩になっちゃって雨の中で泣いてたら怜央さんがたまたま撮影で近くにいて見られちゃった…」
「浮気なら別れて当然だ、真綾がいるのに最低な奴だ、だから僕は今の彼氏は心配だったんだよ」

「見る目がなかった自分も悪いよ、ねぇ、爽平にぃ、お願いがあるんだけど…」
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