Secret Love 〜カリスマ美容師は幼なじみの年下アイドルを溺愛する〜
2日後真綾は桔平と社長室にいた。

「爽平にぃは?昨日まで乗せていってくれるって言ってたのに」
「何だ俺の迎えじゃ不満なのか」
「別に」

落ち着かないのか椅子に座ってクルクル回っている。

「あー、緊張する」
「サロン内の人数で緊張してたらコンテストなんてどうなるんだよ」
「そうなんだよねー」
「モデルデビューなんだぞ」
「わかってるよ」
「NUAGE(ニュアージュ)の専属モデル契約も交わしたんだからな」
契約書を見せた。
「それって他のスタッフのカットモデルとかもするの?」
「もちろんだ、うまくSNSを使っていくからな」
「ふぅーん」
「何だ爽平や怜央以外は嫌か?」
「それはちゃんと仕事としてわりきるよ」

店ではスタッフがカメラの設置など準備に追われていた。

お客様も普通に予約はいれているが席数は減らしている。

「何かの撮影ですか?」と客も興味津々だ。
「着付けも取り入れていこうということで宣伝動画を撮るそうですよ」
「へぇ、いいわね」

社長室に怜央が入ってきた。

「あれ?爽平さんは?」
「急遽1番に入っている」

怜央はカメラを見ると電源は入ってなかった。

「真綾さん、ちょっとお願いします」
「はい」

隣のスタッフルームに行くと猫の浴衣が置いてあった。
「段取り言いますね」
真綾に説明をしていく。

怜央は浴衣を持つと中のドアから店の方に顔をだした。

「お疲れ様です、怜央さん入ります」

怜央は久しぶりに緊張していた。
現場で初めて会う人でも緊張しないのに…

カメラと爽平さんがいないプレッシャー、表に出るのは全部爽平さんがしてくれていたし、話すことが苦手な俺の為にずっとカバーしてくれていた。

専門学校の先生も就職した店の人にも腕はあるのに勿体ない、愛想良くしろって…
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