敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
4.目の前のハードルが高い…
「封筒……」
宛名は会社の中の神代になっていて、綺麗なペン字で書かれている。
神代は高村からその封筒を受け取るが、裏を確認して思わず微笑んでしまっていたことに自分では気づいていなかった。
CEOの神代は感じよく人当たりもよいものの、その感じのよさが異性に発揮されることがないと知っている秘書高村は、さっきから驚愕を隠せない。
女性を名前で呼ぶことも、その女性から届いたと思しき封筒を手にして微笑むこともだ。
「申し訳ございません。どういった向きの方か存じ上げなかったので、中身を確認させていただいたのですが……」
会社の代表当宛に届いた手紙を秘書が開封するのは当たり前のことだ。
「申し訳ございませんでした」
高村が丁寧に頭を下げるので神代は中を見られたのだということが分かった。
「知らなかったのだから仕方ないです。今後彼女からの手紙は信書扱いとして開封は控えてもらえますか?」
「承知いたしました」
どちらにしても確認したのは高村だけだと分かっているので神代も簡単な注意だけに留める。
それに高村は察しが悪いというわけでもない。
あらかじめ告げておけばそんなことにはならなかったし、神代もまさか香澄が会社に封書を寄越すとは思わなかったのだ。
宛名は会社の中の神代になっていて、綺麗なペン字で書かれている。
神代は高村からその封筒を受け取るが、裏を確認して思わず微笑んでしまっていたことに自分では気づいていなかった。
CEOの神代は感じよく人当たりもよいものの、その感じのよさが異性に発揮されることがないと知っている秘書高村は、さっきから驚愕を隠せない。
女性を名前で呼ぶことも、その女性から届いたと思しき封筒を手にして微笑むこともだ。
「申し訳ございません。どういった向きの方か存じ上げなかったので、中身を確認させていただいたのですが……」
会社の代表当宛に届いた手紙を秘書が開封するのは当たり前のことだ。
「申し訳ございませんでした」
高村が丁寧に頭を下げるので神代は中を見られたのだということが分かった。
「知らなかったのだから仕方ないです。今後彼女からの手紙は信書扱いとして開封は控えてもらえますか?」
「承知いたしました」
どちらにしても確認したのは高村だけだと分かっているので神代も簡単な注意だけに留める。
それに高村は察しが悪いというわけでもない。
あらかじめ告げておけばそんなことにはならなかったし、神代もまさか香澄が会社に封書を寄越すとは思わなかったのだ。