敏腕CEOは初心な書道家を溺愛して離さない
パタパタとすごい勢いでキーボードを叩いていた神代の手がぴたりと止まる。
いつも何かをしながらでも高村の話を聞いているので、ぱたっとキーボードの音が止まって画面から顔を上げる神代というのを高村は初めて見た。
「なぜ、香澄さんの名前を……?」
神代はまだ面と向かって香澄の名前を呼んだことはない。
ただ、最近は心の中でいつもそのように呼んでいて、思いがけずに高村からその名前が出てきたものだから、驚いていつも心で呼んでいる名前が口から出てしまったのだ。
「香澄さん……ですか」
仕事に夢中になっているがために堅物となってしまっていてモテにモテまくってはいるけれどお相手にはついぞ恵まれていなかったCEOである。
その口から女性の名前が出てくることなどついぞなくて、驚いて思わず神代の言うことを繰り返してしまった高村に、神代は不機嫌そうに髪をかきあげた。
「なんで高村さんが名前で呼ぶんですよ。知ってますけど、どうしてその名前を?」
「こちらです」
高村は神代に綺麗な色の封筒を差し出した。
いつも何かをしながらでも高村の話を聞いているので、ぱたっとキーボードの音が止まって画面から顔を上げる神代というのを高村は初めて見た。
「なぜ、香澄さんの名前を……?」
神代はまだ面と向かって香澄の名前を呼んだことはない。
ただ、最近は心の中でいつもそのように呼んでいて、思いがけずに高村からその名前が出てきたものだから、驚いていつも心で呼んでいる名前が口から出てしまったのだ。
「香澄さん……ですか」
仕事に夢中になっているがために堅物となってしまっていてモテにモテまくってはいるけれどお相手にはついぞ恵まれていなかったCEOである。
その口から女性の名前が出てくることなどついぞなくて、驚いて思わず神代の言うことを繰り返してしまった高村に、神代は不機嫌そうに髪をかきあげた。
「なんで高村さんが名前で呼ぶんですよ。知ってますけど、どうしてその名前を?」
「こちらです」
高村は神代に綺麗な色の封筒を差し出した。