お見合いの場で「おまえは好みではない」と言われた令嬢の攻防戦
「な、なるほど? お二人の関係はそこまで進展したと……では、この縁談は……」
「あぁ。俺はキャスリンを妻にする」
「承知しました。では陛下にはそのようにお伝えいたします」
すっと立ち上がった辺境伯は、またドタドタと慌てて走り去っていく。
「おい。待て、私は返事をしていない……」
去り行く父の背にキャスリンは声をかけてみたが、もちろんその声は届かない。
「どうした? キャス。先ほどはおまえのほうから、俺の側に置いてほしいと言っていたではないか」
「それは……これを知られる前の話だからだ。あれで断られたら、破断になったとしても父上から怒られないと思ったからな」
ふんっと鼻息荒く答えたキャスリンは、渇いた喉を潤すために白磁のカップに手を伸ばす。冷め切ったお茶は、舌の上に渋みが残った。
「なんだ? あまり見るな」
キャスリンの所作の一つ一つを見逃さないとでもいうかのように、アーノルドは熱い視線を向けてくる。
「髪、結ばないのか?」
「ん?」
「俺は、先ほどの髪型のほうが好きだ。それに、お茶を飲むのにも邪魔だろう? よし、俺が結わえてやる」
「あぁ。俺はキャスリンを妻にする」
「承知しました。では陛下にはそのようにお伝えいたします」
すっと立ち上がった辺境伯は、またドタドタと慌てて走り去っていく。
「おい。待て、私は返事をしていない……」
去り行く父の背にキャスリンは声をかけてみたが、もちろんその声は届かない。
「どうした? キャス。先ほどはおまえのほうから、俺の側に置いてほしいと言っていたではないか」
「それは……これを知られる前の話だからだ。あれで断られたら、破断になったとしても父上から怒られないと思ったからな」
ふんっと鼻息荒く答えたキャスリンは、渇いた喉を潤すために白磁のカップに手を伸ばす。冷め切ったお茶は、舌の上に渋みが残った。
「なんだ? あまり見るな」
キャスリンの所作の一つ一つを見逃さないとでもいうかのように、アーノルドは熱い視線を向けてくる。
「髪、結ばないのか?」
「ん?」
「俺は、先ほどの髪型のほうが好きだ。それに、お茶を飲むのにも邪魔だろう? よし、俺が結わえてやる」