お見合いの場で「おまえは好みではない」と言われた令嬢の攻防戦
「なんだ? それは結婚に対する条件か? そうだな。俺の顔がこれだからな。夫をおいて妻だけ社交の場に出たとなれば、変な噂が立つ。だから、そういうところに俺を置いていくことは許さない」
 つまり、出なくていいと遠回しに言っている。こうやっていちいち遠回しに言うところは、素直でない男だ。
「おまえの前ではこのままの私でいいのだな?」
「ああ。むしろ猫を十匹かぶられたほうが、気持ち悪くて仕方ない。鳥肌ものだ」
「おまえの女の趣味を疑いたくなるな」
 だから今まで会った女性は、彼の好みではなかったのだろう。社交界で名を聞くような彼女らは、キャスリンとはいろんな意味で真逆の女性たちだ。
「キャスだって人のことを言えないだろう? 俺の醜い顔を見ても、平気な顔をしている」
 そこでもう一度、アーノルドは仮面を外した。
「それは、神竜の力によるものだとわかっているからな。巫女が浄化すれば、その力が吸収されると言われている」
「ほら、やはりキャスは俺の運命の女性ではないか」
 言ってからしまったと思ったキャスリンだが、もう遅い。
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