キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。

理人先輩は、なんだか様子がおかしい。初めて会った時から、あんな顔して……私は、夢でも見ているのだろうか。

それか、とんでもない勘違いをしているのかもしれない。


昨日はいろんなことを教わって、仕事の内容を覚えた。本当ならスケジュールなど私がやっても良かったところを、頭の弱さを見越して執事さんが代わってくれたのだ。

それで、他の人と接する機会が多かったから理人様とはあまり話さなかった。

なのに……今日の朝になってからは、会話が多すぎて内心戸惑っている。


「もうすぐ学校着くけどさ」

「はい……？」

「教室まで送ってもいいかな」

「えっ……！私をですか！？」

「玲奈ちゃん以外誰がいるの？」

「いや、そうですけど……」

まさか送ってくれるだなんて言ってくれるとは思ってもいなくて。


「お気持ちは嬉しいんですけど、理人先輩と一緒にいると女の子から恨まれちゃうので結構です……！」