キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。

「……そっか……」

しゅんとしてしまった理人先輩は、いつもの大人びた雰囲気と違って幼い少年のように拗ねている。

そんな姿が、なんだかちょっぴり新鮮で。


「ううう……わかりました、じゃあ今日だけ、お願いします……！」

「！ありがとう、玲奈」


ぎゅっと抱きついてきた先輩に、私は目をぱちくりさせる。


「……ぎゃ！？」


急だったものだから、変な声が時差で出てしまった。


「ん？嫌だった？」

「だ、だめですよ！メイドと主人は付き合えないって、理事長に言われてますから！あんまり勘違いさせてくると私、好きになっちゃいますよ？」


思わずそんなことを言ってしまい、慌てて口元を塞いだ。

私、調子乗りすぎ……！！



「……？それって、もっといっぱいすれば俺のこと好きになってくれるってこと……？」

「え！？い、いやいや……！冗談です冗談！理人様婚約者候補が10人もいるんですよね？だから、私なんかと変につるむと勘違いさせてしまうというか、なんというか……」