キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。
「そ、そうなの!?」

「本当にこの学園のことに疎いわね……あの人は冷徹無慈悲。噂によると小さい頃に好きだった女の子がいなくなったことがトラウマで、反射的に女嫌いになったとか」

「小さい頃好きだった女の子……?」


そんな人いるんだ。あの人に。


「有名な噂よ。本当かどうかはわからないけど」

「へぇ〜」

「へぇじゃないわよ!!別の噂だと、名前を呼んだ人は消されちゃうとか!!とにかく、深く関わるのは危ないあの人に、彼女って言われるなんて何したのよ!」


勢いがあるものの、未来ちゃんの表情はどちらかというと長年の親友にようやく彼氏ができて嬉しそうにしているみたいだった。

私は昔から恋とか興味なくて、好きな人や彼氏ができたことがないのだ。


「ほぉら、早く聞かせて!」

「うう……だから、たまたま会って話したら知り合いになったというか……」
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