キラキラ王子様は最強女子にご執心らしい。
にっこりスマイルが美しい彼。理人先輩は無自覚なキラキラって感じだけど、秋川さんは自覚ありの煌めきって感じがした。


「……玲奈、座って」


今度はちょっと強引に腕を引かれてしまった。ポスッとベンチに座れば、雑に置かれた私のお弁当。

秋川さんはお弁当を持ってきてくれたらしい。それを受け取った理人先輩は、だいぶ不機嫌になっていた。


「じゃあわたくしはひとまず戻りますね」


そう言って、屋上から出て行った秋川さん。

しーんとなぜか気まずい空気の中で、ポケットからゼリーを取り出した理人先輩。


「あ、あの、先輩」

「ん?」

「よければ私のお弁当食べますか?」

「……え?いいの?」


普段の冷たいちょっと虚な目に、光が宿ったみたいな顔をする先輩。


「はい!あんまり自信はないですけど……」

「なんでもいい、玲奈が愛情込めて作ったものなら」

「あはは、じゃああげます!半分こですね」


そう言ってつい微笑んでしまった。するとまた、先輩の頬ぶわっと赤く染まる。


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