復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「今ね、ちょうど新しい製品の研究開発してて、ラボで試しに作ってみたところだったの。誰かに試してもらおうかと思って持ち歩いてたんだけど、ちょうどよかったわ。ぜひ使ってみて」

 「えっ……で、でも、い、いいの?」

 小瓶の中の液体をしげしげと見つめた。まだテスト段階とはいえ、媚薬なんて生まれて初めて見る。というよりも、最近の製薬会社とはこんなものまで作ってしまうのだろうか。

 「もちろん!結愛ちゃんと、逢莉のためだもん。私にもぜひ協力させて。逢莉の言う通り、あの穂月社長は絶対許せない!仇を討つべきだと思う!」

 先程まであまり乗り気じゃなかったのに、なぜか急に俄然とやる気が出たらしい。汐梨は小瓶を持った私の手を握ると力強く頷いた。


 「あ、ありがとう。でも……これ、どうやって使うの?」

 きゅぽっと蓋を開けて匂ってみる。味はわからないが特に匂いは何もしないようだ。

 「飲み物に数滴いれるだけで効くはずよ。ただし効果が現れるまで30分から1時間くらいかかるから、それまでずっと側にいて、可愛く微笑みかけたり話しかけたり、相手に気を持たせるようなことをひたすらしてね。そうすると必ず媚薬の効き目が現れてくるはずだから」
 
 「わ、わかった。でも……どうやってこの媚薬をあの東儀崇人に飲ませたらいいの?」

 今のところ、東儀ホールディングスの御曹司と一緒にふらりと居酒屋に飲みに行くような予定などない。すると、汐梨は「それなら大丈夫」と自信たっぷりに頷いた。

< 21 / 156 >

この作品をシェア

pagetop