復讐は溺愛の始まり 〜一途な御曹司は愛しい彼女を逃がさない〜
 「あ、見て!マルヌ国際映画祭のコンペティション部門で最優秀女優賞だって。日本人でこの賞を受賞するのって初めてじゃない?凄くない?」

 「あ、本当だ。この人さ、確か去年はマルデミー賞も受賞してたよね。今や世界に通じる大女優だぁ」

 テレビでは、沢渡(さわたり)橙子(とうこ)という有名な大女優が海外の国際映画祭で日本人初の最優秀女優賞を受賞したとニュースを流している。

 「この人さ、確か今50代後半だよね。でも30代後半にしか見えないって凄くない?まさに美魔女だよね。まあ、まだ独身らしいけど、やっぱりいつまでも若く見える為に、色々やってるんだろうなぁ」

 「こういうのってさ、若いうちからしっかり努力しないといけないんだよね。あ、そうだ!私達も今週末スパに行ってデトックスしない?その後、薬膳料理でも食べに行くとか」

 「あ、いいね、その案。大賛成〜!」

 そうして私と結愛は、楽しく夕食を食べながら今週末のプランを立てた。


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 「やっぱり、ここでの仕事はやめるべきかな……」

 オフィスビルの21階にある屋上テラスで1人お弁当を食べながら、真っ青な青空に向かってぽつりと呟いた。

 季節は変わり今は既に初夏。今日は天気も良くこの屋上テラスにはちらほらと私と同じようにお弁当を広げて食べている人がいる。私は隅の方にある小さなテーブルに1人座ると、おにぎりと一緒に卵焼きを食べながら小さくため息を漏らした。

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