私たちの恋風は、春を告げる


俺の声に応えるように、咲茉の手が微かに動いた。

多分、これもいつもの反射って動きだと思ったけど…

……何かが違う。

窓から暖かい風が吹き込んできて、俺の頬を撫でる。

再び、咲茉の手が動いた。

「……咲茉?」

何か違和感を感じて俺が名前を呼ぶと、瞼がぴくりと揺れる。


そして、固く閉ざされていた咲茉の目が、ゆっくりと開いた。







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