私たちの恋風は、春を告げる


「……うっ」

美波やクラスメイトが駆け寄ってきた時にはもう、しゃがみ込む力さえなくなって、その場に倒れ込んだ。

もう、意識も絶え絶えで。

「先生、咲茉がっ!」

周囲のざわめきと、美波の泣きそうな声だけが聞こえてくる。


頭の中に、何本もナイフを刺されてるみたい……


そのまま、私は意識を失った。

意識を失う瞬間、冬紀の「咲茉っ」と呼ぶ声が聞こえたような気がした。





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