私たちの恋風は、春を告げる
冬休み明けたら、学校行けるのかな…
受験、どうなっちゃうんだろう…
そんな不安ばかりが目の前をちらついて、頭から離れない。
もし学校に戻れなかったら、美波心配しちゃうよね…
美波や冬紀は前々からスマホを持っているけど、私は受験が終わったら買ってもらう約束になっていたから、連絡の手段がない。
白い天井を見つめていると、ドアが開く音がした。
お母さんが帰って来たのかな…そう思って顔を上げたけど、そこにいたのはまだ小学校低学年くらいの女の子だった。
「…あ、えと……こんにちは…?」