巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!
「由巫!」

 黄色い髪をしたイケメンに急に声をかけられてビクッとした。

 な、なんで私の名前を知っているの?


「ありがとう! 由巫のおかげでやっと勾玉から出られたよ!」

「人聞きの悪いこと言わないで! 私、怪奇現象に手を貸してなんかないもん!」


 反射的にそう叫んだら彼が小首を傾げた。

 キリッとした眉の下の大きな目がキョトンと丸くなっている。


「怪奇現象って俺たちのことか?」

「そうだよ! 勾玉から人間が生まれるなんて、怪奇現象以外のなにものでもないでしょ!」

「んー。いろいろ突っ込みどころはあるけれど、まず俺たちは人間じゃないんだ」

「……へ?」


 人間じゃない?

 いや、そりゃそうか。勾玉から飛び出してきた相手から『僕は普通の人間です』とか宣言されても、それはそれで対処に困る。


「人間じゃないなら、あなたたちは何者なの?」

「我らは、十二支(じゅうにし)である!」


 お次は緑色の髪のイケメンが、胸を張ってそう答えた。

 クール系でちょっと大人っぽい顔立ちのせいか、妙に古臭い言葉使いのせいか、すごく偉そうな感じ。

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