巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!
「苦労したんだね……」

「由巫は優しいなあ! 由巫がお供え係になって以来、ずーっと合図を送り続けたかいがあったな!」

「合図って?」

「勾玉が十二色に光っただろ? 俺らがここにいるぞってSОSさ。俺が考えたんだ!」


 あれって私に向けた合図だったのか!

 志狼君、自慢そうに胸を張ってるけど、勾玉が光ったからって中に十二支が入ってるなんて普通は考えないからね?

 考えても救出しようなんて夢にも思わないし。

 でも、なんで私に合図を送っていたんだろう。


「由巫は神に仕える巫女さんやからな。そういう立場の人間やないと、こういった封印は解けへんのや」


 なるほど。これまで学校の中に巫女や神主が入る機会なんてなかったろうからね。

 ん? あれ? どうして私の考えていることがわかったのかな?


「今、『どうして私の考えがわかったんだろう?』って思ったやろ?」

「え? う、うん」

「俺は思考を読み取る神通力があるんや。ま、簡単に言えばテレパシーみたいなもんやな」


 へえ、それはすごい。

 しかも、よくテレパシーなんて単語を知ってるなあ。

 ……と思ったことも読まれたのか、宙太君が答えてくれる。


「これまでこの資料室に入った人間たちの思考を読んで、いろいろ勉強したんや。だからみんな近代文明の知識は持ってるで!」


 そっか。妙に会話がしやすいのはそういう理由なんだね。

 勉強家なんだなあ。さすがそれぞれの動物たちの代表選手だ。

 ん? ちょっと待って。
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