巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!
「由巫、おはよう!」

「あ、おはよう。春菜(はるな)


 校門内に飛び込み、胸に手を当てて呼吸を整えていると、クラスメイトで一番仲良しの春菜が話しかけてきた。

 春菜は陸上部員でスッキリしたショートヘアがよく似合う、元気な女の子だ。

 一緒に生徒玄関に向かって歩きながら、春菜が勢いよくしゃべりだした。


「ねえねえ、昨日も資料室の勾玉(まがたま)が光ったらしいよ!? うちの部活の先輩が見たんだって! 怖いよねー!」


 怖いなんて言っているけれど、春菜がワクワクしているのは顔を見ればわかる。


「春菜ってほんと、怪談系の話が好きだよね」

「うん、大好き! なんで勾玉が光るのかなあ? ねえ、由巫なら勾玉について詳しいんじゃない?」

「まあ、うちは神社ですからね」


 勾玉っていうのは、古代の日本で作られていたアクセサリーなんだ。

 アルファベットのCの字に似た独特な形をしていて、翡翠(ひすい)とか、水晶とかの貴重な石で作られている。

 儀式にも使われていたらしく、当時はとても神聖な物として扱われていたらしいんだ。
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