巫女&十二支擬人化男子、学園をナイショで守護してます!
 は、春菜、春菜!

 援護してくれるのは嬉しいけど、鍋島先生が興奮してヤバいことになってるよ。

 ほら、瞳孔(どうこう)開いちゃってるじゃん。

 光る勾玉なんかより、私はこの人の方がよっぽど怖いの!


「あの、先生! 私、勾玉にお水をお供えする役目があるので失礼します!」

「あ、榊さん待ちなさい! まだ話の途中ですよ⁉︎」


 先生がなにか叫んでるけど、私は春菜の手を引っ張りながら生徒玄関に逃げ込んだ。

 ふう。今日もなんとか無事に済んだ。

 春菜が隣で靴を履き替えながらプンプン怒ってる。


「あー、腹が立つ! 鍋島先生ってなんであんなにしつこいんだろ!」

「私の髪が長すぎて目立つからじゃないかな?」


 実は私の髪は腰を覆うほどの超ロング。

 うちの学校は基本的に頭髪は自由なんだけど、ここまで長いとさすがに目立つ。

 目立つ生徒って、先生から目をつけられがちだからね。


「いやいや! 髪が長いって理由だけじゃなくて、きっと先生は由巫に嫉妬してるんだよ」

「嫉妬? 私に?」

「そう。だって由巫の髪ってすんごく綺麗(きれい)だもん! サラサラでツヤツヤで宝石みたい。そんな綺麗な髪、見たことないよ!」

「えへへ、そっかな? ありがとうね」
< 7 / 113 >

この作品をシェア

pagetop