クリスマスには甘い予約を
「鈴橋くんてよくコーヒーとかジュースとかもらってくるね」
「人徳だな」
 彼が得意げに言うから、つい笑ってしまう。

「お前、イブってなにする予定なの?」
「家でひとりでケーキ食べる」
「さみしいやつ!」
「ほっといてよ」
 私はむっとしてコーヒーを飲む。

「じゃ、俺が誘おっかな」
 言われて、私はコーヒーを噴きそうになった。
「そういう冗談言ってると、まためんどくさいことになるよ」
 彼は前に社交辞令で「今度ごはん行きましょう!」と女の子に言ったら、しばらく付きまとわれて大変だったらしい。

「あれ、鈴橋、さっき買ったコーヒーって前田の分だったんだ?」
 ふいに先輩に声をかけられ、鈴橋くんはそっちを見た。
「違いますよ。それより先輩、メシ行きましょう!」
 鈴橋くんは言いながら先輩のほうへ歩いて行った。

 私は首をかしげた。
 さっき買ったコーヒー? わざわざ買ってくれたってこと?
 鈴橋くんて優しいから、差し入れしてくれたのかな。
 私は感謝しながらコーヒーを飲んだ。
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