クリスマスには甘い予約を
午後、私は相変わらず事務仕事、営業の鈴橋くんは外回りに行った。
仕事をしながらも、鈴橋くんの発言がもやもやと頭の中を回る。
冗談でも誘うようなことを言われてしまった。
そんなことは初めてだ。
もしかして、本当に誘おうとしてくれたのだろうか。
その可能性に行き当たり、私の心臓がどきんと跳ねた。
そんなこと、あるんだろうか。
いや、あったとしても多分友達としてっていうだけで、きっと深い意味はないに違いない。
そう思うのに、一度走り出した心臓は止まらない。どきどきと勝手に早く脈打って、私の気持ちを加速させようとする。
意味なんてない。意味なんてない。
なにかの呪文のように頭の中で唱え続け、必死に仕事に集中した。
結局、仕事にあまり集中できないままに終業時刻を迎えた。
……気になり過ぎて仕方がない。
「鈴橋、おかえり!」
同僚の声に、心臓がどきんと大きく打ち鳴らされた。鈴橋くんが外周りから帰って来たらしい。
「ただいまー。今日も空振りっしたー!」
「そう言って、最後にはちゃっかり契約とってくるんだもんなあ」
同僚に言われ、にへへ、と鈴橋くんは笑う。