もっと、キミと


「ま、いいや。白鳥さん、おかえり。席は、前と同じだからさ」


彼にそう言われると、こくりと頷いて教室に一歩入った。


久しぶりで、緊張してクラスの子達と目を合わせられず、足早に自分の席に座った。


ーーみんな、どう思ってるんだろ。


不安な気持ちで頭の中が、ぐわんぐわん回っていると机に二つの人影が現れた。


「美華、おはよう」


「おはよう。美華ちゃん」


胡桃ちゃんと穂花ちゃんだ。


声をかけてくれたのは、正直嬉しい。


でも、二人は私のことを快く思ってない。


そう思うと、胸がきゅっと締め付けられた。


「美華っ……マジでごめん!」


「……え?」


「謝って済むことではないんだけど……美華が教室に来なくなった前の日ーー美華のこと、悪く言ったのが聞こえたんでしょ?」


一番、触れるのが怖かったところにド直球で言う穂花ちゃんに、心拍数は爆上がり。


怖く、続きの言葉を聞くのに躊躇った。


しかし、足が震えて動けず、この場から逃げることなんてできなかった。


「ど、どうして……それ」


小さく、震えた声で言うと今度は胡桃ちゃんが口を開いた。


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