もっと、キミと
「コラコラ。口説かないの……まったく」
間宮先生の茶化すような口ぶりが、更に恥ずかしさを倍増させた。
「ごめんごめん。同じ教室にいる子が増えて、ついテンションが上がって」
……そりゃあ、そうだよね。
言われ慣れてなくて、つい舞い上がっちゃったけど冗談で言ったに決まってる。
軽い彼の言葉に、惑わされないように気をつけないと。
「改めてよろしくね、白鳥さん」
ニコッと笑顔を向け、手を差し出してくれる佐倉くん。
戸惑い、どうしようかと思っていると「握手だよ」と言われおずおずと手を差し出した。
手を出すと、ぎゅっと手を握られる。
大きく角ばった手が、私の手をぎゅっと包み込む。
男の子らしい手だ。
「こ、こちらこそ……」
ぎこちなく答えると、満足したようでパッと手を離された。
「白鳥さんは、隣の机を使いなよ。さっき、先生と話してる間に準備したからさ」
そう言うと、隣にある机を指差した。
教室には、彼と私の机だけが横並びになっている。
私のクラスは、三十五人の生徒がいて窮屈に思っていた。
しかし、机がたった二つと教卓があるだけではとても広く感じた。
明日から、この教室に通うことになるんだ。