初めての恋のお相手は
――…



祠堂さんの住んでるマンションは
こゆさん達のお店から、そんなに離れてない。

歩いて15分くらい。

近くに警察署もあるし

この辺は、お店も人通りも多くて
街灯もたくさんあるから

夜でも比較的、安心して出歩ける。

ただ、あんなことがあったばかりだから
夜に出歩くことは避けてる。

こゆさん達のお店のバイトも
勤務時間帯は昼間にしてもらった。



「良い子達でしょ?こゆとスグリ」

「はい」



並んで歩きながら、祠堂さんが口を開く。

笑って頷いて、私は会話を続ける。



「お店もすごく人気で、忙しいのに
私の事を気にしてフォローしてくれて」



自分達の仕事をしっかりこなしながら

私だけじゃなく
他のアルバイトの人達の事もよく見て

補助に入ったり
的確に指示してて、すごいと思った。



「腕が良いから、繁盛してるのよね」

「まかない、おいしかったです」



調理は主にスグリさんが担当してる。

祠堂さんの言う通り
スグリさんの腕前はすごくて

大量のオーダーを
ものすごい勢いでさばいていて

なのに、出された料理はどれも
見た目も味も素晴らしいもので

余り物で、ささっと作ってくれたまかないも
ほっぺたが落ちそうなくらい美味しかった。
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