初めての恋のお相手は
「私も、あんな風に作れたら
良かったんですけど」

「…楸の手料理は
なんというか…素材の味が効いてるわ」



オブラートに包んでくれているけど
祠堂さんの視線は泳いでいる。



「すみません…豪快で…」



お世話になるからと
家事分担を申し出たものの

掃除、洗濯はともかく

貧乏生活が長かった私に
ちゃんとした料理の知識や技術はなくて。

キャベツを切っただけ
モヤシを茹でて、調味料をかけただけの品等…

もはや、料理とは言えないものしか出せず。


なので、料理全般は
祠堂さんにお任せすることになった。



「まあ、あれはあれで新鮮だったわ」



面白そうにくすくすと笑って
祠堂さんは、私を見る。



「楸はもっと、のびのび色んな事に
挑戦してみればいいわ」


「あなたの傍には
私や、こゆ、スグリがいる」


「やってみたいことや、してみたいこと
分からないことがあれば、声をかけなさい」


「頼れる相手が出来たんだから」


「たくさん、甘えて、頼りなさい」
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