初めての恋のお相手は
4
――……



「今行くから、ちょっと待ってて」

「あの、祠堂さん
さすがに毎回送り迎えして貰わなくても
大丈夫ですよ」



翌日の朝も
私に合わせて家を出ようとする祠堂さん。

玄関先で
先にスリッパから靴に履き替えていた私は
やってきた祠堂さんを見上げる。



「念のためよ」

「祠堂さんだって、お仕事ありますよね?」

「大丈夫、同じような時間帯だから」



玄関先に備え付けの鏡で
身だしなみをチェックしながら
祠堂さんは答えた。



「…そういえば、祠堂さんは何の仕事を…」

「花屋で働いてるわ」

「花屋…」



予想外の回答に、目を丸くする。

なんとなく、外見的イメージから
美容やアパレル関係の仕事を想像していた。



「そう、スグリ達の店の近くの
好きなのよ、植物」

「部屋にも観葉植物いっぱいですもんね」

「ええ、癒されるじゃない?
さ、行きましょ」



振り返った祠堂さんは、そう言って
玄関のドアを開ける。
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