初めての恋のお相手は
「付き合ってる奴いるって分かれば
大体のやつは、引くだろ」



何を突拍子のないことを…と思ったけど
傑さんは、終始、真面目な顔で。

傑さんなりに私を心配して
真剣に考えてくれたのが伝わって

だから、私は柔らかく言葉を返した。



「……それは、祠堂さんが嫌がるから
困らせるから、ダメです」

「えぇ~?楸、美人なんだから嫌がんねーって」

「…祠堂さんは、優しいから
私のために頷いてくれるかもしれませんけど…
そんなのは、ダメです」

「いいじゃん。甘えたって
祠堂さん、甘えられるの好きだし」

「ダメです。祠堂さんにこれ以上迷惑は…」

「何の話?」

「「!」」



押し問答を続けていると
頭上から声が降ってきて

私と傑さんは、声の主に顔を向けた。



「…祠堂さん」

「お疲れっす。祠堂さん
聞いてくださいよ、楸が…」

「傑さん!」



迎えに来てくれた祠堂さんに
傑さんが話を振ろうとする。

私は慌てて
傑さんの言葉を遮ろうと名前を呼ぶ。
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