初めての恋のお相手は
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――…



「祠堂さん、どこ行きたいですか?」

「悩むわね…やっぱり、ひまわり畑かしら」



チケット売場で貰ったマップを
ふたりで眺めながら、最初の目的地を相談する。



「見頃ですもんね
じゃあ、先にひまわり畑見に行きましょう」

「ええ」



デートのお誘いは無事成功して
祠堂さんと休みが被った休日の今日
ふたりで、フラワーパークにやってきた。


晴天に恵まれ、絶好の花見日和。


夏本番前とあって、日差しは少し強いけど
日焼け止めに、帽子や日傘を装備して
対策は、ばっちり。



「まさか、楸がデートに
誘ってくれるなんて思わなかったわ」



広々とした園内を眺めながら
祠堂さんが、どことなく嬉しそうに笑顔をこぼす。



「……恋人らしいことに
挑戦してみようと思って…」

「ここを選んだのは、私のためでしょう?」

「……喜びそうだと思って」

「ええ。嬉しいわ、ありがとう」



改めて『デート』と言葉にされると
気恥ずかしくなってしまって

それをごまかすように
マップに視線を落とせば

そんな私の頭を撫でて
祠堂さんは優しく目尻を下げる。


『嬉しい』のひと言に
私の心は、喜びで一気に明るくなる。


ずっとお世話になっているのに
中々、恩返しが出来なかったから


こうやって、自分のしたことで
喜んで貰えるのは、とても嬉しかった。
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