スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~
18.ずっと隣にいたい
その後、病院で肩の治療を受けた瑠花は一ヶ月の安静を命じられた。
小学校の体育館を避難所として開放してくれることになったが、瑠花は蓮と相談し祖母の家に行くことに。
一緒に住めばいいじゃないという祖母の提案により、蓮も一緒だ。
固定された肩のせいで右手がまったく使えなかったが、祖母のおかげで食事も困らず、本当に有り難かった。
テレビでは大久間の逮捕が大々的に報じられ、虎二郎のニュースはネットに少し載っただけ。
虎二郎の兄も逮捕され、毎日ワイドショーを賑わせている。
次第に大久間の過去のことも報道されるようになり、一度だけだったが蓮の両親の事故のことも取り上げられた。
蓮は仕事の日だったので見ていなかったが、コメンテーターが「助かるはずの命を亡くした罪は重い」と全国放送で言ってくれたと凜からメッセージが届き、少しだけ浮かばれたような気がしたと相変わらずの独特なスタンプと一緒に送られてきた瑠花は、泣きながら笑ってしまった。
虎二郎は裁判で今までの被害女性に謝罪をするので前科をつけないでほしいと頼んでいたが、凜がバッサリと拒否。
再犯の恐れが高いという理由で懲役刑という最も重い罪になった。
放火罪や窃盗罪も合わせると、無期懲役になる可能性が高いと凜は教えてくれた。
マンションの被害者全員で損賠賠償請求もしたが、そちらはまだまだ時間がかかるそうだ。
あれから五年――。
マンションの火災保険で祖母の家を二世帯住宅に建て替えた私たちは幸せな日々を送っている。
「帽子がなーい!」
「蒼、廊下に落ちてたよ」
えへへと笑いながら保育園の黄色い帽子を被る息子の蒼。
「パパとあしょぶー」
「ごめんな、翠。今日は仕事なんだ」
ぷくっと頬を膨らませる三歳の娘の翠。
「瑠花、会社遅れるぞ」
「はいはーい」
娘を片手で抱きながら保育園に送迎する夫はもちろん救急救命士の蓮。
そして私は大手出版社で雑誌記者の仕事をさせてもらっている。
「ばあば、いってきまーす」
「はい、いってらっしゃい」
玄関周りを掃除してくれる祖母に蒼と翠が元気に手を振りながら出かけていく。
いろいろなことがあったけれど、いつでも守ってくれる旦那さまと可愛い子供たちに囲まれて幸せすぎる。
『スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~』
「瑠花、手を」
蓮にギュッと手を握ってもらえると安心する。
「ママー! 蒼も! 蒼も!」
「はいはい」
右手に小さな息子の手、左手には大きな夫の手。
10年後も20年後も、ずっと蓮の隣にいたい。
瑠花はよく晴れた青い空を見上げながら幸せそうに目を細めた。
END
小学校の体育館を避難所として開放してくれることになったが、瑠花は蓮と相談し祖母の家に行くことに。
一緒に住めばいいじゃないという祖母の提案により、蓮も一緒だ。
固定された肩のせいで右手がまったく使えなかったが、祖母のおかげで食事も困らず、本当に有り難かった。
テレビでは大久間の逮捕が大々的に報じられ、虎二郎のニュースはネットに少し載っただけ。
虎二郎の兄も逮捕され、毎日ワイドショーを賑わせている。
次第に大久間の過去のことも報道されるようになり、一度だけだったが蓮の両親の事故のことも取り上げられた。
蓮は仕事の日だったので見ていなかったが、コメンテーターが「助かるはずの命を亡くした罪は重い」と全国放送で言ってくれたと凜からメッセージが届き、少しだけ浮かばれたような気がしたと相変わらずの独特なスタンプと一緒に送られてきた瑠花は、泣きながら笑ってしまった。
虎二郎は裁判で今までの被害女性に謝罪をするので前科をつけないでほしいと頼んでいたが、凜がバッサリと拒否。
再犯の恐れが高いという理由で懲役刑という最も重い罪になった。
放火罪や窃盗罪も合わせると、無期懲役になる可能性が高いと凜は教えてくれた。
マンションの被害者全員で損賠賠償請求もしたが、そちらはまだまだ時間がかかるそうだ。
あれから五年――。
マンションの火災保険で祖母の家を二世帯住宅に建て替えた私たちは幸せな日々を送っている。
「帽子がなーい!」
「蒼、廊下に落ちてたよ」
えへへと笑いながら保育園の黄色い帽子を被る息子の蒼。
「パパとあしょぶー」
「ごめんな、翠。今日は仕事なんだ」
ぷくっと頬を膨らませる三歳の娘の翠。
「瑠花、会社遅れるぞ」
「はいはーい」
娘を片手で抱きながら保育園に送迎する夫はもちろん救急救命士の蓮。
そして私は大手出版社で雑誌記者の仕事をさせてもらっている。
「ばあば、いってきまーす」
「はい、いってらっしゃい」
玄関周りを掃除してくれる祖母に蒼と翠が元気に手を振りながら出かけていく。
いろいろなことがあったけれど、いつでも守ってくれる旦那さまと可愛い子供たちに囲まれて幸せすぎる。
『スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~』
「瑠花、手を」
蓮にギュッと手を握ってもらえると安心する。
「ママー! 蒼も! 蒼も!」
「はいはい」
右手に小さな息子の手、左手には大きな夫の手。
10年後も20年後も、ずっと蓮の隣にいたい。
瑠花はよく晴れた青い空を見上げながら幸せそうに目を細めた。
END


