「私は、武器」

 それから、今や青年となった少年、彼に問いかけてみたいことが出来た。
 たった今だ。
 けれど、力の抜けて行く体は横に倒れ、開いた目を閉じることさえ出来ぬほどに息苦しい。

 痛い。焼けるように、傷口が。
 燃えている。命が。息絶える。
 その寸前に。どうか。どうか。
 聞きたいの。
 ううん。
 最後に、聞いて、欲しいの。

 伝えたかったの。

 どうか、あの日のように、微笑んで頷いて。

 この小屋の床は、あえて土のままにしてあった。
 少年が指で書く文字で、会話をする為だ。
 ぶるぶると震える人差し指を地面に立てて、私は最後に質問を残した。

『もう、ここをでて、あなたのそばで、ぶきをかまえて、ともにたたかってもいいですか?』

 私が本当に姫様だったのならば。
 あなたに守られ続け、戦う為の道具をこさえるばかりではなくて。
 仲間である者たちと共に立ち上がり、戦場であなたの支えとなりたかった。

 私も、あなたを守る武器に、なりたかったのです。



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