波間に揺れる白い星
「美咲ちゃんって、周りの人をいつも気にしてるよね。でも、それがすごいと思うんだ。」
「……そうかな。」
「そうだよ。俺なんか、自分のことだけで精一杯だし、美咲ちゃんみたいに他人のことを考えたりできない。」
美咲は少し黙り込んだ後、小さく首を振った。
「私は……ただ、自分のことを見られるのが怖いだけなんだよ。」
「どういう意味?」
「自分のことだけ考えてると、周りの人から何か言われるでしょ?だから、誰かの役に立つようにしてたら、自分を見られずに済むって思って……。」
その言葉に、恭介は何も言えなくなった。
美咲の本心が見えた気がして、胸が締めつけられるような感覚を覚えた。