恋愛短編集10作品
俺に、躊躇なく触れたのとは別人のような拒絶。
触れるのは良くて、触れられるのは駄目?
そんな矛盾……
何が、彼女をそうさせるのだろうか。
軽い身……
女の子の力に、抗える力を使えば壊れてしまいそうだ。
【ゾクリ】
じわじわと、滲むように侵食する想い。
惹かれるのは、必然なのだろうか……
「神楽、もっと教えて欲しい。」
抵抗する彼女の身を支えながら、自分の体を起こして視線を合わせる。
「何、ヤダ……止めて、触らないで!」
聞いていた情報と違う。
「神楽、大丈夫だよ。何もしない……君の味方でいる。ずっと……誓うから……俺の目を見て、聴いて。」
ぎゅっと目を閉じ、小刻みに揺れるほどの震え。
自分を守る為に、闘ってきたんだね。
湧き上がるような愛しさと、慈しみの甘い気持ち。
満たされる。
俺の欠落を、君が与えてくれる。
君に欠けたものを、俺が与えてあげられるだろうか。
そっと頬に触れ、優しく撫でるが拒絶のような恐怖の反応。
震える身体に、腕を回して抱きしめる。
俺の体温なのか、神楽の温もりなのか……
聞こえる心音。
「許さないから……」