恋愛短編集10作品

感謝短編2025.6

タイトル『男力』
Side:南斗(みなと:男)
登場人物:櫂里(かいり:女)流祈(るき:女)


親の不在時、気持ちを確認した二人。
一方的なキスで泣かれたのを謝りながら、懲りずに求めるキス。

それに応えて、目を閉じる櫂里に幸せを噛みしめて、重ねた唇。
嫉妬も、焦りも、無意識でもなく……想いの通じたキス。

そんなデレデレな、幼なじみから抜け出した時間を味わった俺。

今の状況を言うと。
校舎の裏に隠れ、櫂里に告白しようとする男を見張っています。

嫉妬で俺を駆り立てた原因が、俺の彼女になったとも知らずに告白。
信じていないわけじゃないけど心配で、見張っている女々しき状況。

こんな所、誰にも櫂里にも見せられない。

「ふ~っ。」

「……っ!?」

思わず叫びそうになり。慌てて口を手で塞ぎ。
首元にかかる生暖かい風を送ったのは。

振り返る。

「ぷぷっ。これは、これは誰かと思えば、櫂里の彼氏様ではありませんか。くすっ。何を、しているのかなぁ~?」

壁際から覗き、櫂里と告白野郎の様子を確認しながら含んだ笑い。

「それが、友達の彼氏に対する挨拶ですかね?」

自分の彼氏発言。


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