恋愛短編集10作品
言いながらニヤケル俺に、白けた視線で首を傾げながら、ため息。
失礼な奴だな、コイツ。
「流祈、何の用だ?」
ため息を吐きたいのは、俺だよ。
まったく……
「ん?安物だから、盗聴器の受信が弱くてね。昨日も、チャンスを逃したんだよね~。」
……何を……
いや、どこから突っ込むべきだ?
「くすくすくす。ほら、旦那♪」
『あのね、気持ちは嬉しいんだけどね……好きな人がいるの。それで、その……昨日から付き合っているの。』
なんてベストタイミング!
じ~~ん。
感動して、自分の中で反すうする。
「旦那?この録音を幾らで、お買い求めます?」
こいつ、本当に櫂里の友達なんだろうか?
「……言い値で。」
「まいど!」
いや、常連にする気か?
櫂里の彼氏……本気の気持ちを、お互いに確認して彼氏彼女。
これから、嫉妬も少ないだろうか?
不安要素が、ここにいるけど……害は、ない……よな??
視線を向けた流祈は、俺に妖しく微笑む。
ゾクリッ
寒気が背中に走る。
「……二人、何をしているの?」
影に隠れていた俺達を見つけ、近づいた櫂里の不機嫌そうな態度。