私は今日も、そらを見上げる。
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今日は海の花火大会に行く日。
夏には少し遅れた花火大会。それまで蒼空と一緒に、行きたいところリストを作ったり、やりたいことリストを作ったりした。
水族館に行くとか、遊園地に行くとか、ピアスを開けるとか。作るだけでワクワクして、幸せすぎるぐらいだった。
今日は少し気合いを入れて、いつもは付けないネックレスも付けてみた。髪型はいつもと変わらない一つ結び。
蒼空とは制服でしか会ったことがないけど、今日は私服。私は黒っぽいシンプルなTシャツに、ブルーのショートパンツを履いた。シルバーの細いネックレスが映える。
蒼空はどんな服を着てくるのだろうか。私は心なしか、期待を秘めていた。
『もう行けるよ』
準備が終わったから、蒼空に連絡した。
『おっけー、準備満タン!』
親指を立てた、可愛らしいスタンプが送られてきた。
『じゃあ家出るね』
『私もー』
スマホの画面を閉じて、玄関でお母さんに聞こえるように「行ってきまーす」と言った。
「行ってらっしゃい、気を付けてね」
お母さんには、蒼空のことを話してある。病気のことも、余命のことも。話している途中で泣きそうになってしまったけど、そのときには慰めてくれた。「美雲が思う存分、幸せにしてあげなさい」って。
家の鍵を開け、ドアを開ける。