私は今日も、そらを見上げる。

「ほら、見て」

蒼空がデジカメの画面を私の方に向けて、海をズームする。パシャ、と音が響いた。蒼空が撮った写真を確認すると、驚くほどに海が綺麗に撮られていた。

キラキラと輝く海。海を導くような波。神秘的だった。

「デジカメってこんなに綺麗に撮れるんだ...」

「でしょー、ねぇ、美雲こっち寄って!」

蒼空に手招きをされて、蒼空の方に寄った。

デジカメに映る私と蒼空。パシャ、とさっきと同じ音が響く。歯を出して笑う蒼空の横に、ぽかんと間抜けな顔をした私。

「えっ、ちょ」

私は慌てるけど、蒼空は意地悪そうに笑って画面を見つめた。まぁこれも思い出だしいいか、と諦める。

この時間が永遠に続けばいいのにな。でも残念なことに、永遠なんて存在しない。なんでも、必ず終わりがあるから。

「いつか、この楽しい時間も味わえなくなっちゃうんだね」

今隣にいる蒼空は、一年後には絶対いなくなってるんだ、って。

「そうだね」

蒼空は現実を受け入れているように、清々しくそう言った。

「でもね、終わりがあるからこそ、今が大切になるんだよ」

蒼空がカメラをしまって顔を上げた。

「だから、終わるまで、精一杯楽しもう?」

蒼空が目を細めて笑顔を咲かせた。その姿は、死を恐れてはいないようで。

「...うん」

蒼空につられて、私も少し口角を上げた。
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