The previous night of the world revolution4~I.D.~
量り売り、という販売方法そのものは、ルティス帝国にもあるけれど。
まさか生肉をそのまま吊るし、その場で客に求められた部位を切り分けて販売するとは。
マグロの解体ショーか何かか。
何より、目の前でゴリゴリと骨を削りながら肉を切り分ける様を見せられると…。
…慣れてないと、ちょっと辛いよな。
マフィアが何を言ってんだ、大体ルティス帝国でお前がいつも買ってる肉だって、お前の見てないところで、こうやって切り分けられてパック詰めされてるんだぞ、と言われたらその通りなのだけど。
それを目の前でやられると、ちょっと…なぁ?
見てないから平気で食べられるってこと、あるじゃん?
すると、血のついた大鉈を持った店員のおじさんが、こちらを見て、愛想の良い笑顔で何かを言った。
言葉はよく分からないが、多分、「お兄ちゃんは、どの部位にする?」とか何とか言ったのだろう。
そんな物騒なもの持ってなかったら…普通に仲良くなれそうなおじさんなんだろうけど。
「…どうした、ルルシー先輩。切り分けてもらわないのか?」
「いや…ちょっと…。肉はやめとく…」
これ見てると、食欲失せた。
「肉じゃなくてさ…魚にしよう」
「そうか。分かった」
精肉コーナーを後にし、次に俺達は、鮮魚コーナーに向かった。
魚なら大丈夫だろう。魚なら、でかいのを吊るして切り分ける、なんてことはしないだろうし。
もし魚の方も肉と同様、マグロの解体ショーみたいな感じで販売されるのだとしても。
魚なら大丈夫。トロください、って言えば良い。
すると。
「…」
「…どうした?ルルシー先輩」
「なんか…ちょっと…思ってたのと違う…」
ルティス帝国の鮮魚コーナーと言えば、肉と同様、パック詰めされたものが冷蔵されているのが普通。
しかし、シェルドニアの鮮魚コーナーでは。
パック詰めなんてされている魚は、一匹もなく。
ただ、水族館みたいにでかい水槽が、でん、でん、でん、と三つくらい置いてあって。
その中に、それぞれ大中小様々の魚が、元気に泳いでいた。
成程…そう来たか。
そういう店あるよな。ちょっと高級な料理店とか。
本日はこちらの魚を調理致します、みたいな。
まさかそれを、普通のスーパーでやるとは。
鮮度だけは…抜群だな。とりあえず。
すると、先程ミミズペーストを買い、鹿肉を買った例のおばさんが。
今度は、鮮魚コーナーの店員さんに、何やら話しかけていた。
またいたよ。あのおばさん。
買い物お疲れ様です。
頷いた店員さんは、大きな網を持ってきて、それで狙いの魚をすくいあげた。
そして、ビチビチと跳ねる魚を血まみれのまな板に押し付け。
まだビチビチ跳ねている魚の頭を、出刃包丁で一刀両断した。
「…」
「…」
…この場で捌いてくれるんですね、分かります。
魚…捌くの、面倒だもんな。
店員さんは、頭を切り落とされた魚の腹に、スプーンをブスッ、と突っ込み。
ぐりぐりと内臓を掻き出して、べっ、とゴミ箱に捨て。
血まみれの手で魚をビニール袋に入れ、笑顔でおばさんに手渡した。
おばさんもまた、にこやかに代金を手渡して魚を受け取り。
るんるんと、歩き去っていった。
まさか生肉をそのまま吊るし、その場で客に求められた部位を切り分けて販売するとは。
マグロの解体ショーか何かか。
何より、目の前でゴリゴリと骨を削りながら肉を切り分ける様を見せられると…。
…慣れてないと、ちょっと辛いよな。
マフィアが何を言ってんだ、大体ルティス帝国でお前がいつも買ってる肉だって、お前の見てないところで、こうやって切り分けられてパック詰めされてるんだぞ、と言われたらその通りなのだけど。
それを目の前でやられると、ちょっと…なぁ?
見てないから平気で食べられるってこと、あるじゃん?
すると、血のついた大鉈を持った店員のおじさんが、こちらを見て、愛想の良い笑顔で何かを言った。
言葉はよく分からないが、多分、「お兄ちゃんは、どの部位にする?」とか何とか言ったのだろう。
そんな物騒なもの持ってなかったら…普通に仲良くなれそうなおじさんなんだろうけど。
「…どうした、ルルシー先輩。切り分けてもらわないのか?」
「いや…ちょっと…。肉はやめとく…」
これ見てると、食欲失せた。
「肉じゃなくてさ…魚にしよう」
「そうか。分かった」
精肉コーナーを後にし、次に俺達は、鮮魚コーナーに向かった。
魚なら大丈夫だろう。魚なら、でかいのを吊るして切り分ける、なんてことはしないだろうし。
もし魚の方も肉と同様、マグロの解体ショーみたいな感じで販売されるのだとしても。
魚なら大丈夫。トロください、って言えば良い。
すると。
「…」
「…どうした?ルルシー先輩」
「なんか…ちょっと…思ってたのと違う…」
ルティス帝国の鮮魚コーナーと言えば、肉と同様、パック詰めされたものが冷蔵されているのが普通。
しかし、シェルドニアの鮮魚コーナーでは。
パック詰めなんてされている魚は、一匹もなく。
ただ、水族館みたいにでかい水槽が、でん、でん、でん、と三つくらい置いてあって。
その中に、それぞれ大中小様々の魚が、元気に泳いでいた。
成程…そう来たか。
そういう店あるよな。ちょっと高級な料理店とか。
本日はこちらの魚を調理致します、みたいな。
まさかそれを、普通のスーパーでやるとは。
鮮度だけは…抜群だな。とりあえず。
すると、先程ミミズペーストを買い、鹿肉を買った例のおばさんが。
今度は、鮮魚コーナーの店員さんに、何やら話しかけていた。
またいたよ。あのおばさん。
買い物お疲れ様です。
頷いた店員さんは、大きな網を持ってきて、それで狙いの魚をすくいあげた。
そして、ビチビチと跳ねる魚を血まみれのまな板に押し付け。
まだビチビチ跳ねている魚の頭を、出刃包丁で一刀両断した。
「…」
「…」
…この場で捌いてくれるんですね、分かります。
魚…捌くの、面倒だもんな。
店員さんは、頭を切り落とされた魚の腹に、スプーンをブスッ、と突っ込み。
ぐりぐりと内臓を掻き出して、べっ、とゴミ箱に捨て。
血まみれの手で魚をビニール袋に入れ、笑顔でおばさんに手渡した。
おばさんもまた、にこやかに代金を手渡して魚を受け取り。
るんるんと、歩き去っていった。