The previous night of the world revolution4～I.D.～

一つ目の方法。暗殺させるなら暗殺させてしまおう作戦だが。

メリットは、何より平和的である点。

私達が何より心配している、三人の生存が確保される。

これは何より大事だし、この方法だと、私達もノーリスクで彼らを返してもらうことが出来る。

デメリットは、アシミムがちゃんと約束を守ってくれるか分からない点だ。

勿論、交渉が成立すれば、口約束だけでは済ませない。書面にも残すし、約束をした証拠はちゃんと残すつもりだ。

それでも、アシミムにとってはそんな約束、無視しようと思えば出来るのだ。

こちらはあくまで、ルティス帝国の1マフィアでしかない。

対して向こうは、国王を暗殺すれば、新たに女王として即位する身。

つまり、新しいシェルドニア国王になる人物なのだ。

私達との約束など、薄っぺらい紙切れほどの価値しかない。

ルレイアを利用するだけ利用して、終わってからも返してくれないかもしれない。

返さないだけならまだしも。

ルヴィアの言った通り、前国王暗殺の真相を闇に葬る為に、ルレイアに冤罪を着せ、処刑する可能性も充分にある。

大体、ミレド暗殺の真相を知っている人物を、みすみす生かして返す理由が、彼女にあるものか。

アシミムにしてみれば、爆弾を生かしておくのと同じだ。前国王を暗殺して、自分が王位についたなどと…国民や諸外国に知られたら、厄介なことになる。

ならばルレイアにバラされる前に、口封じの為に殺した方が良いに決まっている。

貸したまま、一生返ってこない…なんて事態になりかねない。

「…約束守ってもらえなかったら、ルレ公返してくれねぇんだろ？むしろ殺されるかもなんだろ？」

「そうなるね」

「じゃあその方法駄目じゃん！」

まぁ、あながち駄目とも言えない。交渉次第ではある。

もし約束を守らずにルレイアを殺すような真似をしたら、『青薔薇連合会』の全総力を以て、シェルドニアに総攻撃を仕掛ける、と脅しておくとかね。

その脅しが利くのかは分からない。だから交渉次第なのだ。

「なら、他に方法はないの？」

「まだあるよ」

次に、二つ目の作戦だ。