The previous night of the world revolution4~I.D.~
実は、ルレイアが行方不明になってからというもの。

連日、ルレイアのハーレム会員が徒党を組んで、『青薔薇連合会』本部を訪ねてきている。

訪ねてくると言えば聞こえは良いが、こちらにしてみれば、攻め込んできてるも同様だ。

私達のご主人様は何処だ、ご主人様を返してくれるまでは私達も帰らない、と。

いやいや。そう言われても、こっちもルレイアが何処にいるのか分からない訳だから。

返して欲しいのはこっちだよなぁと思いながら、毎日彼女達を宥めている。

中には、ご主人様にもしものことがあったら、後を追って死ぬ、と言うハーレム会員もいた。

血走った目をしてそう訴えるのだから、私も返答に困る。

…でも、それだけに。

熱心なルレイア信者である彼女達なら、ルレイアを助ける為に爆弾持って特攻してくれないか、と頼んだら。

喜んで!と引き受けてくれるのではないか、と思った。

「自爆テロってことかよ…。こえー…」

これには、アリューシャもびびっていた。

私も…我ながら狂気じみているなとは思うけど。

この方法なら、末端の構成員が死ぬこともないし。

アシミムさえ死んでしまえば、後腐れなくルレイア達を助けられる。

ルレイアのハーレム会員達は気の毒だが、彼女達は『青薔薇連合会』の人間ではないので、彼女達が死んでも、我々の懐が痛む訳ではない。

…なんて、打算的な自分が嫌になるが。

「ですが…その…爆弾を持って飛び込んだときに、アシミムが不在だったら…自爆損では?」

と、ルヴィア。

…うん。

「アシミムって奴が、家にいるのを確認して飛び込めば良いんでね?」

「はい。ですが、多分小さな一軒家という訳ではないでしょうし…。アシミムの寝室が何処にあるのかも分からないのに…」

…もし、アシミムの自宅が、ベルガモット王家の王宮みたいに大きかったら。

玄関に飛び込んでも、アシミムのいる部屋まで届かないだろうね。

「そもそも、爆弾抱えて飛び込める隙があるかしら。出入り口には、当然警備兵もいるだろうし…」

「それに、上手くアシミムを爆殺出来たとして…ルレイアまで一緒に爆破しちゃったら、怖いわね」

シュノとアシュトーリアさんが、続けて言った。

…それなんだよなぁ。

それが、この作戦のデメリットだ。
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