The previous night of the world revolution4~I.D.~
…さすがの私も、それは予想していなかった。
シュノも呆然、アリューシャなんて口をぽかんと開けていた。
いや、アリューシャの場合…ちょっと理解が追い付いてない可能性がある。
後で絵本にして説明してあげなきゃ。
「そんな…。シェルドニア王国がルティス帝国に侵攻…?本気なの?」
シュノの声は震えていた。
まぁ…ルティス帝国とシェルドニア王国が本気でぶつかれば、私達もタダでは済まないだろう。
本気で戦争する気があるのなら、だけど。
「少なくともミレド王は本気のつもりでした…。本気で、ルティス帝国を占領しようと…」
「アホでね?そいつ。アリューシャよりアホでね?」
私もそう思う。
「でも、あながち無謀とは言えないところが辛いね。シェルドニア王国が相手なら、良い勝負にはなるだろうし」
「だからって戦争なんて…!シェルドニア王国の国民は反対しないの?」
「シュノ。シェルドニア王国の国民はミレド王に洗脳されてるんだよ。彼に逆らうようなことは言わないよ」
そもそも、ミレド王に逆らうという発想がないだろう。
彼の決定に異を唱える者はいない。
彼が戦争をすると言うのなら、シェルドニアの民は誰も反対しないはず。
「だからってそんな…。前時代的な…」
確かに…ルティス帝国はここ千年ほど、戦争はしていないね。
戦争なんて、歴史の教科書の中だけの出来事だ。
現代で起きるべきことではない。
だが…歴史の中で、戦争という行為は、何度も何度も繰り返されてきた。
それが、人間の本能であると言わんばかりに。
千年以上戦争がなかったからと言って、これからもない、とは言い切れない。
むしろ、千年以上なかったから、そろそろ起こるときが来るのかもしれない。
事実、つい最近箱庭帝国で革命が起き、長きに渡る圧政が終わったばかりだ。
これも、大きな歴史の転換点だ。
だからもしかしたら、ルティス帝国も歴史の転換点を迎え、シェルドニア王国の支配下に置かれるのかもしれない。
その時代の転換点に、偶然私達が居合わせたのだと考えると…何も不思議なことはないのかもしれないが。
…ミレド王がここまで積極的にルティス帝国を狙うのは…シェルドニア王国の洗脳システムがあるからだろうな。
あの塔を、ルティス帝国にも立てれば良い。
そうすれば、簡単にルティス帝国民も統治出来るだろう。
国民が自分の言うことに逆らわない。絶対服従するなら…国がいくら広く、大きくなろうと、統治に困ることはない。
だからこそ、シェルドニア一国では満足出来なくなったのだろう。
「…もし本当にシェルドニア王国がルティス帝国を占領すれば…最早、世界の全人類が洗脳される、なんてSFみたいな話も、有り得ない訳じゃないね」
全く…笑えない冗談じゃないか。
ともすれば、いずれそんな時代も来るのかもしれない。
だが、それは今じゃない。
私の目の黒いうちは、そんな時代を来させはしない。
「…ともかく、今すぐにアシュトーリアさんに、それから帝国騎士団に報告だ」
「あ、アイズレンシア殿…。それと、ルレイア殿から伝言を預かっています」
「伝言?」
「はい…えっと…」
ルアリスから告げられた「伝言」に、私の中にあった不安と心配が、一瞬にして全て消し飛んだ。
シュノも呆然、アリューシャなんて口をぽかんと開けていた。
いや、アリューシャの場合…ちょっと理解が追い付いてない可能性がある。
後で絵本にして説明してあげなきゃ。
「そんな…。シェルドニア王国がルティス帝国に侵攻…?本気なの?」
シュノの声は震えていた。
まぁ…ルティス帝国とシェルドニア王国が本気でぶつかれば、私達もタダでは済まないだろう。
本気で戦争する気があるのなら、だけど。
「少なくともミレド王は本気のつもりでした…。本気で、ルティス帝国を占領しようと…」
「アホでね?そいつ。アリューシャよりアホでね?」
私もそう思う。
「でも、あながち無謀とは言えないところが辛いね。シェルドニア王国が相手なら、良い勝負にはなるだろうし」
「だからって戦争なんて…!シェルドニア王国の国民は反対しないの?」
「シュノ。シェルドニア王国の国民はミレド王に洗脳されてるんだよ。彼に逆らうようなことは言わないよ」
そもそも、ミレド王に逆らうという発想がないだろう。
彼の決定に異を唱える者はいない。
彼が戦争をすると言うのなら、シェルドニアの民は誰も反対しないはず。
「だからってそんな…。前時代的な…」
確かに…ルティス帝国はここ千年ほど、戦争はしていないね。
戦争なんて、歴史の教科書の中だけの出来事だ。
現代で起きるべきことではない。
だが…歴史の中で、戦争という行為は、何度も何度も繰り返されてきた。
それが、人間の本能であると言わんばかりに。
千年以上戦争がなかったからと言って、これからもない、とは言い切れない。
むしろ、千年以上なかったから、そろそろ起こるときが来るのかもしれない。
事実、つい最近箱庭帝国で革命が起き、長きに渡る圧政が終わったばかりだ。
これも、大きな歴史の転換点だ。
だからもしかしたら、ルティス帝国も歴史の転換点を迎え、シェルドニア王国の支配下に置かれるのかもしれない。
その時代の転換点に、偶然私達が居合わせたのだと考えると…何も不思議なことはないのかもしれないが。
…ミレド王がここまで積極的にルティス帝国を狙うのは…シェルドニア王国の洗脳システムがあるからだろうな。
あの塔を、ルティス帝国にも立てれば良い。
そうすれば、簡単にルティス帝国民も統治出来るだろう。
国民が自分の言うことに逆らわない。絶対服従するなら…国がいくら広く、大きくなろうと、統治に困ることはない。
だからこそ、シェルドニア一国では満足出来なくなったのだろう。
「…もし本当にシェルドニア王国がルティス帝国を占領すれば…最早、世界の全人類が洗脳される、なんてSFみたいな話も、有り得ない訳じゃないね」
全く…笑えない冗談じゃないか。
ともすれば、いずれそんな時代も来るのかもしれない。
だが、それは今じゃない。
私の目の黒いうちは、そんな時代を来させはしない。
「…ともかく、今すぐにアシュトーリアさんに、それから帝国騎士団に報告だ」
「あ、アイズレンシア殿…。それと、ルレイア殿から伝言を預かっています」
「伝言?」
「はい…えっと…」
ルアリスから告げられた「伝言」に、私の中にあった不安と心配が、一瞬にして全て消し飛んだ。