The previous night of the world revolution4~I.D.~
その日は、俺達はプールでのんびりと過ごした。

泳いだり、プールサイドで寝そべったり。

プールで過ごした後は、アイズレンシア達とテレビ通話でお話しした。






「お、来ましたかね」

『にゅお?アイ公これ繋がってる?もう喋れる?おーい!アリューシャだよー!テステス!』

おぉ。アリューシャの声がめっちゃ聞こえる。

しかもカメラに近過ぎるらしく、アリューシャの顔がどアップ。

『へい!こちらアリューシャ!応答せよ!オーバー』

「うるさいアリューシャだな…。聞こえてるよ。あと近い。離れろ」

呆れ顔のルルシー。

いやいや、実にいつものアリューシャらしくて、ほっこりするじゃないか。

『うぉっ!今ルル公の声がした!空耳か!?アイ公、これ空耳聞こえる!』

『空耳じゃなくて、ちゃんとルルシーが話してるんだよ。皆、聞こえてる?』

「聞こえてますよ~。やっほー」

「アリューシャの顔しか見えないから、ちょっとそいつ下げてくれ」

『ほらアリューシャ、ちょっと下がって』

『うぃ』

アリューシャが一歩二歩、と下がると。

ようやく、アイズとアリューシャの顔が見えた。

「シュノさんは、出張なんですよね」

『うん。昨日発ったよ。私とアリューシャしかいないから、アシュトーリアさんが寂しがってる』

アイズは苦笑いをしながらそう言った。

あー、そっか。幹部組四人いないんだもんな。

俺達三人は海の上だし、シュノさんはアシスファルト帝国だし。

『そっちはどう?満喫してる?』

「えぇ、楽しんでますよ」

不満と言えば、ルルシーが俺の夜の相手をしてくれないところだけだな。

『それは良かった』

『ねぇねぇ、飯は?飯はうめぇの?』

ずいっ、と出てきて食い気味に尋ねるアリューシャ。

気になるのは食べ物のことか。

「美味いですよ」

『えぇな~!お土産よろな!よろ!美味しいお土産な!』

「はいはい、分かってますよ」

お土産も買わないとな、そろそろ。

「ったく…厚かましいアリューシャだ」

「アリューシャ先輩らしいじゃないか。お土産代は俺がカジノで現地調達したから、好きなだけ買えるぞ」

「…お前も大概だよな…今更だけど…」

ルリシヤもルリシヤらしくて良いじゃないか。

「そっちは何か、変わったことは?」

『特にはないね。アシュトーリアさんが寂しがってるくらいかな』

そうか。アシュトーリアさんにもお土産、買って帰らないとな。

「アシュトーリアさんと、それからシュノさんにも宜しく伝えてくださいね」

『うん、分かった』

『お菓子!お菓子買ってきてなルル公!』

「分かったっての…。小学生かお前は…」

「山盛り買って帰るから安心してくれ、アリューシャ先輩」

などと。

シュノさんがいないのは残念だが、実にいつもらしいやり取りを楽しんでから、俺はテレビ通話を切った。
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