The previous night of the world revolution4~I.D.~
テレビ通話の後、午後からは、ドリンクを片手に大型スクリーンで映画を鑑賞した。
正直映画はいまいちつまらなくて、ちょっと退屈だったのだが。
さて映画を鑑賞した後、何をしようかと三人で話していた、丁度そのとき。
「…あ」
「…」
…出た。
例の、黒髪長髪なんちゃってガイドなシェルドニア人青年であった。
昨日はカジノに出没していたとのことだが、今日はシアタールームに現れた。
「何だか…よく会いますね、あなた」
「そうか?…偶然だろう。それに…同じ船にいるんだから、顔を合わせるのは珍しくない」
まぁそうなんだけど。
それにしても、よく会うような気がするんだが?
「それより…今日は『白亜の塔』には上ったか?」
あ?『白亜の塔』?
昨日行ったから、今日はもう良いかなと思ったんだが。
「行ってませんけど…」
「そうか…。この後、夕焼けの時間に上ってみると良い。絶景だぞ」
あー、そうなの?
確かに、地平線に沈む太陽が一望出来そうだね。あの展望台なら。
まぁ、考えておこう。
「そうですか。教えてくれてありがとうございます」
「船内のバーには?もう行ったか?」
今度はバーを勧めるのか?
「まだ行ってないですけど」
「こちらも行ってみると良い。ここのバーのシェルドニア古酒は、本国の名産だ」
ふーん…。そんなに自信あるのか。
癖になる味ではあるけど、そこまで美味しいとは思わないんだよな。あのお酒。
「そうですか。どうも」
「…」
シェルドニア人の青年は、何故か俺の顔をじっ、と見つめた。
…何?俺に惚れた?
「何か?」
「…いや。それだけだ。では」
彼は言いたいことだけを言って、さっさと何処かに行ってしまった。
…なーんか、変な人だなぁ。
「何の話をしてたんだ?」
シェルドニア語の分からないルルシーが、俺に尋ねた。
「んー?夕方に展望台上ってみると良いっていうのと…あと、バーにも行ってみろって」
「…随分世話好きと言うか…首を突っ込んでくる奴だな」
怪訝そうに顔をしかめるルルシーである。
ルリシヤも、
「他の人にも同じことを言ってるんだろうか?」
「…さぁ…」
それなら、ただの世話好きだが…。
もし俺達にだけ言ってるのだとしたら…。
いや…考え過ぎだとは思うが…。
正直映画はいまいちつまらなくて、ちょっと退屈だったのだが。
さて映画を鑑賞した後、何をしようかと三人で話していた、丁度そのとき。
「…あ」
「…」
…出た。
例の、黒髪長髪なんちゃってガイドなシェルドニア人青年であった。
昨日はカジノに出没していたとのことだが、今日はシアタールームに現れた。
「何だか…よく会いますね、あなた」
「そうか?…偶然だろう。それに…同じ船にいるんだから、顔を合わせるのは珍しくない」
まぁそうなんだけど。
それにしても、よく会うような気がするんだが?
「それより…今日は『白亜の塔』には上ったか?」
あ?『白亜の塔』?
昨日行ったから、今日はもう良いかなと思ったんだが。
「行ってませんけど…」
「そうか…。この後、夕焼けの時間に上ってみると良い。絶景だぞ」
あー、そうなの?
確かに、地平線に沈む太陽が一望出来そうだね。あの展望台なら。
まぁ、考えておこう。
「そうですか。教えてくれてありがとうございます」
「船内のバーには?もう行ったか?」
今度はバーを勧めるのか?
「まだ行ってないですけど」
「こちらも行ってみると良い。ここのバーのシェルドニア古酒は、本国の名産だ」
ふーん…。そんなに自信あるのか。
癖になる味ではあるけど、そこまで美味しいとは思わないんだよな。あのお酒。
「そうですか。どうも」
「…」
シェルドニア人の青年は、何故か俺の顔をじっ、と見つめた。
…何?俺に惚れた?
「何か?」
「…いや。それだけだ。では」
彼は言いたいことだけを言って、さっさと何処かに行ってしまった。
…なーんか、変な人だなぁ。
「何の話をしてたんだ?」
シェルドニア語の分からないルルシーが、俺に尋ねた。
「んー?夕方に展望台上ってみると良いっていうのと…あと、バーにも行ってみろって」
「…随分世話好きと言うか…首を突っ込んでくる奴だな」
怪訝そうに顔をしかめるルルシーである。
ルリシヤも、
「他の人にも同じことを言ってるんだろうか?」
「…さぁ…」
それなら、ただの世話好きだが…。
もし俺達にだけ言ってるのだとしたら…。
いや…考え過ぎだとは思うが…。