The previous night of the world revolution4~I.D.~
何これ。これが予備?

「この中身は何だ?ちゃんと…真面目なプレゼントなんだろうな?」

「ひどーい。俺はいつだって真面目ですよ?」

真面目な奴はな、こんなエロス溢れるプレゼントは買わないんだよ。

とりあえず、開けてみようじゃないか。

こっちのエロプレを捨てるかは、この中身を見て判断しよう。

すると。

中身は、ブラックダイヤが散りばめられた、洒落たデザインの腕時計だった。

「…ね?真面目でしょ?」

「ん…まぁ…」

デザインがややゴスロリじみてる気がするが…しかし、ルレイアにしては真面目だな。

少なくとも、こっちのエロプレよりは百倍良い。

「…分かったよ。ありがとう」

一応こっちのエロプレだって、プレゼントではあるからな。

ただ、限りなく下心に偏ってるというだけで。

捨てるのは…勘弁してやろう。

「毎日つけるよ」

「うふふ、良かった~。ルルシーが喜んでるくれると、俺も嬉しい」

嬉しいのは良いから、くっつくな。

早速腕時計を嵌めた俺に、ルレイアはぐりぐりと嬉しそうに頭を押し付けてきた。

あー、はいはい…ったく。

本当、困ったや、

「…あ、そうだルリシヤ。ありがとうございます、これ。大事に観ますね」

「あぁ。編集してる俺もうっかり萌えそうになるほどの力作だから、期待してくれ」

…おい。

…お前、それ何の話だ?

そういえば、ルレイアがもらったプレゼントは、ルリシヤからなのだ。

観るって何だよ。編集って何だよ!

「ルリシヤ…。お前、正直に言え…。何をした?」

そういやお前、俺の預かり知らぬところで、俺の家にクリスマスツリーやら包丁やら圧力鍋やら、置いてたよな。

なぁ、お前いつの間に何をしたんだ?

「大丈夫だルルシー先輩。ルルシー先輩のセキュリティ対策は万全だった。俺もちょっと骨が折れたくらいだから。安心してくれ」

何に安心すれば良いのか、全く分からないんだけど。

お前を対策出来なかったら、何の意味もないんだよ!

「この、ルリシヤ…!お前、いい加減に…!」

ここいらで、ルリシヤとは一度話し合わないといけない。

そう思ったのに。

「んー…。ねみ~…」

「アリューシャ、このまま寝ちゃ駄目だよ。寒いからね。ほら、ちゃんと上着羽織って」

「あ、そうだシュノさん。この間行き付けのゴスロリショップで、限定生産のゴスロリワンピ注文したんですよ。届いたらあげますね」

「うんっ…!ありがとうルレイア。嬉しい」

…駄目だこりゃ。

完全に呑気モード。

ルリシヤが、ぽん、と俺の肩に手を置いた。

「諦めろルルシー先輩。いつもの流れじゃないか」

「…俺が諦めざるを得ない元凶を作ったのはお前だ」

もう、本当。

ルリシヤ対策のセキュリティ強化、ちゃんとやろう。

あと、寝室のベッド周り、徹底的に洗おう。

心からそう誓った、聖夜の思い出である。





END
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