The previous night of the world revolution4~I.D.~
いや待て。それよりも。

「ルレイア、ルリシヤ!お前ら…!」

「おっ、アリューシャのプレゼントはルリ公がもらったんだな」

「あぁ。中身は何なんだ?」

「アイ公にポチってもらった、かしみや?って奴のマフラーだぜ。それ、アリューシャだと思って大事にしてくれよな」

「カシミヤのマフラーか。しかも黒とは、良いセンスだ。このままだとシンプルだから、刺繍とスパンコールで改造してから、有り難く使わせてもらうよ」

改造すんな。そのまま使え。

いや待て。そんなことより…!

「お前ら、このプレゼント交換はやおちょ、」

「さぁルルシー!俺からの愛のこもったプレゼントですよ!開けてみてください!」

「…」

目をきらきらさせながら、こちらを見上げるルレイア。

…うん。もう取り返しつかない奴だな、これ。

分かったよ。開けるよ。開けたら良いんだろ。

もう嫌な予感しかしないが、開けてやろうじゃないか。

ルレイアからのクリスマスプレゼント、中身はと言うと。

…お子様閲覧禁止の通販サイトに売っていそうな、妖しいパッケージのアロマオイル。

と、同じく明らかに妖しいお店で買ったらしい、ボディクリーム。

…極めつけは、お馴染みの精力増強ドリンク。三本セット。

…うん。

俺が必死に、万人受けするプレゼントを考えていたのを嘲笑うかのような、このラインナップ。

「…なぁ、アイズよ」

「何?ルルシー」

「クリスマスプレゼントって…クーリングオフ出来るっけ?」

「さぁ…。無理じゃないかな」

「いっそルレイアごとクーリングオフしてぇ…」

そうか…クーリングオフは無理か。

なら、仕方ないな。

「…廃棄だ廃棄!ゴミ箱にダンクだ!」

俺はルレイアからもらった悪意とエロスに満ちたプレゼントを、まとめてゴミ箱に叩きつけようとした。

しかし、ルレイアが羽交い締めしてそれを止めた。

「酷い!ルルシー、恋人からのプレゼントをもらったそばから捨てるなんて!」

「誰が恋人だ。ふざけんな!使うかこんなもん!」

「だってルルシーに受け取って欲しかったんだもん!だからルルシーに渡るように調整してたんですけど、ルリシヤが協力してくれたから」

やっぱりそういう相談か!言わんこっちゃない。

「とにかく!こんなものは要らん!」

「分かった、分かりましたよ!ルルシーはシャイだからそう言うと思って、ちゃんと予備のプレゼントも用意してますから。だから捨てないでくださいよ」

あ?予備?

ルレイアは、エロプレゼントじゃない、もう一つの紙袋を差し出してきた。
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