The previous night of the world revolution4~I.D.~
蕎麦打ち職人ルリシヤが、蕎麦を打ち。

夕食に食べる、唐揚げやらハンバーグやらを作っていると。

「こんにちはールルシー」

「うわっ、びっくりした…」

何処から生えたルレイア。お前。

インターホンも鳴らさず、物音の一つも立てずにルレイアがやって来た。

「お前な…。インターホン押してこいって、何度も…」

「ルリシヤは何を作ってるんですか~?」

「お煮しめだ」

「わぁい。美味しそう」

人の話を聞け。

全くこいつら二人、正に歩く災厄…と思っていると。

インターホンの音が鳴り響いた。

…お?

急ぎ足で玄関に向かうと、アイズレンシア、アリューシャ、シュノの三人がいた。

「やぁルルシー。来たよ」

「お前らは…本当良い奴らだよな…」

インターホン押して入ってきてくれるだけで、もう最高に良い奴だよ。

ってか我が家はオートロックなんだけど。あの二人は何処からどうやって入ってきてるの?

「味見係のアリューシャが来たぜ!味見する~!」

キッチンに直行するアリューシャである。

キッチンでちょろちょろすんなよ。落ち着きないんだから。

「ルルシー、これ。おせちね」

「あぁ、うん…」

「私フライドポテト作ってきたわ」

「ありがとう」

助かるよ。

六人ぶんの食事を作るのは、なかなか大変だからな。

六人ぶんの蕎麦を打ったルリシヤはどうなんだって話だが。

「うめぇ。ルリ公の唐揚げうめぇ」

「アリューシャ。味見し過ぎたら夕飯食べられなくなるよ?」

で、アリューシャは何をやってんの?

味見とか言いつつ、摘まみ食いじゃん。

唐揚げしか食ってねぇし。

「ルルシー、俺お酒持ってきたので。後で皆で飲みましょうね」

ぴとっ、とくっついてくるルレイア。

相変わらずくらっとする香水の香りに、必死で顔を背ける。

「あぁ…うん…」

「うふふ。ルルシーと大晦日…。良いですねぇ」

何が良いのかは知らないが、その魔性の笑みはやめてくれ。

あぁ…今更だが、相棒が変人だと苦労するなぁ…。
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