嘘八百
小さく肩を竦めて画面を見せる。岬はそれを読み取り、名前の欄を開けた。
「ユキって、降る雪?」
「雨冠の」
「名字は?」
雪の名前の欄は、雪の結晶のマークのみ。それだけだと誰とのやりとりなのか忘れてしまうのか、岬は名前を入力していた。
なんとなく、岬のアイコンを見た。夷子岬とシンプルに書かれた名前。
「神田です」
「神様の田んぼ?」
「そう」
「で、本当の職種は?」
「玲香の同期。総務でお茶汲みしてます」